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臨床電気神経生理学の基本

臨床電気神経生理学の基本

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商品詳細

本書は活動電位の発生から臨床までを,ごく基礎的な原理から,特に生理学の知識がなくても読み進められるよう,数多くの講義で培ったノウハウで豊富な図解を用いてわかりやすく解説.さらに基本原理をもとに軸索や脱髄の生理学,いくつかの臨床的問題,アースの原理とかいった臨床に直結するテーマまでを盛り込んだ,神経生理学を志そうとする人,臨床で神経生理検査に携わるすべての人に真に役立つ書籍.

【目次】

第I章 神経と筋の電気現象を電気的等価回路で考えるために
1.電気神経生理学の基本事象
◇コラム1:電位の図示の仕方について
2.電気抵抗としての容積伝導体とイオンチャネル
◇コラム2:伝導体について
3.イオンチャネルの種類
4.コンデンサーとしての細胞膜
5.電池としてのイオンチャネル
◇コラム3:抵抗について
6.電池とコンデンサーの違いは何か
7.いわゆる「オームの法則」について─本書での位置づけ
8.本章のまとめ
◎より深く理解するために:電気抵抗率(resistivity)と容積伝導体および膜の抵抗(resistance)

第II章:活動電位を巡るパラドックス─静電気学と動電気学の違いについて
1.静電気学
2.動電気学における抵抗─オームの法則を理解するために
3.活動電位を巡るパラドックス─活動電位の発生は,オームの法則に反する現象か? 

第III章 
オームの法則と3つの原理─生体電気現象を読み解く術をもとめて
1.電圧降下の原理
2.電気回路における電圧の正負の決め方
3.電流ゼロの原理と抵抗ゼロの原理
4.合成抵抗
5.電圧分配の原理
◇コラム:「電圧降下」という言い方について
6.抵抗の直列回路と並列回路の組み合わせ
◎より深く理解するために:並列回路における合成抵抗値の公式の証明

第IV章 オームの法則は,生体電気現象の理解に役立つ
1.心電図で肢誘導が可能となる理由はリード線効果にある
2.臨床での電位記録は電圧降下の原理に基づいている
3.細胞膜の脱分極と過分極は電圧降下の原理で説明される
4.電気刺激時の電位分布と膜電位の意味
5.大脳皮質錐体路細胞や感覚受容器の電気刺激は陽極で行う
6.抵抗ゼロの原理は活動電位の発生機序の理解に役立つ-極性逆転回路の導入
7.膜電位が変化する機序には2種類ある
8.リード線効果によるP9遠隔電場電位発生機序の理解
オームの法則のまとめ
◎より深く理解するために:極性逆転回路の解析

第V章 膜電池の発生機序─濃淡電池,膜が1種類のイオンに対してのみ透過性を持つ場合
1.膜電位の発生と平衡状態の意味
2.平衡電位とNernst式
3.コンパートメント内でのイオン分布
4.コンパートメント内での電位分布
5.濃淡電池の電気的等価回路
◇コラム:Nernst式の一般的表記
◎より深く理解するために(1):静電誘導
◎より深く理解するために(2):濃淡電池の検証

第VI章 膜電池の発生機序─膜が複数のイオンに対して透過性を持つ場合
1.膜が2種類のイオンに対して透過性を持つ場合の膜電位の計算
2.膜が2種類のイオンを透過させる場合の電気的等価回路
3.膜が2種類のイオンに対して透過性を持つ場合-膜を介したイオンの動きは
どうなっているのか
4.能動輸送が必要となる理由
5.塩素イオンも考慮した膜電位
6.Nernst式とGoldman式の関係

第VII章 膜コンデンサー
1.コンデンサーは直流を通さないが交流は通す
2.コンデンサーの電気容量と容量リアクタンス
3.コンデンサーは電位変化の時間経過に影響する
◎より深く理解するために(1):抵抗とコンデンサーからなる回路における電位変化と電流の時間経過
◎より深く理解するために(2):時定数とは何か

第VIII章 活動電位の発生機序
1.静止膜電位の発生と静止膜の簡略化モデル
2.活動電位と活動電流の発生,および第II章のパラドックスに対する答え
3.不応期
4.活動電位の終息
5.活動電位の発生と終息過程-イオンチャネルの活性化と不活化
◎より深く理解するために:簡略化回路の妥当性の検討

第IX章 神経線維の太さと有髄化が活動電位の伝導速度に与える影響と電気学的機序
1.有髄神経と無髄神経の比較
2.活動電位の発生に及ぼす膜時定数の役割
3.長さ定数
4.膜抵抗の変化が電位に与える影響
5.伝播時定数
6.神経線維が太くなると,なぜ伝導速度は速くなるのか
7.有髄化による伝導速度の高速化
8.脱髄による伝導速度低下の機序
9.神経線維の電気刺激-神経線維の直径による相違,および脱髄が起こるとなぜ電気刺激を強くする必要があるのか

第X章 シナプス後電位の発生機序─神経筋伝達,シナプス伝達を理解するために
1.シナプス後電位の発生機序
◇コラム 終板雑音(endplate noise)
2.終板電位(EPP)の発生機序
3.興奮性シナプス後電位(EPSP)の発生機序
4.興奮性シナプス後電位(EPSP)の逆転電位
5.抑制性シナプス後電位(IPSP)の発生機序
6.IPSPのEPSPへの転化

第XI章 臨床における電位記録─活動電位と脳電位
1.細胞外記録で,活動電位が三相波となる理由
2.複合筋活動電位(CMAP)の記録が二相性となる理由
3.逆向性感覚神経活動電位(SNAP)に初期陽性波が存在しない理由
4.筋肉長の変化による複合筋活動電位(CMAP)の波形変化
5.皮膚温による複合感覚神経活動電位の波形変化
6.脳電位の記録
7.容積伝導電位と投射性遠隔電場電位

第XII章 周波数域遮断フィルターの意味と動作機序
1.周波数域遮断フィルターが必要となる理由
2.低域遮断フィルターが初期段階で必要となる理由
3.高域遮断フィルターが初期段階で必要となる理由
4.信号のデジタル化とアンチエイリアスフィルターの役割
◇コラム1 コンピュータ内でのデータ保存
5.低域遮断フィルターの作用機序と時定数
◇コラム2 交流の有効電圧
6.高速遮断フィルターの構造と作用機序
◎より深く理解するために(1):時定数と遮断周波数の関係
◎より深く理解するために(2):周波数域遮断フィルターに矩形波を入力したときの出力波形

第XIII章 差動増幅器とアース
1.差動増幅器
2.交流雑音(ハム)の原因
3.2種類のアース-保護アースとシグナルアース
4.アースされたシグナルアースと浮遊したシグナルアース
5.ボディアースとボディシグナルアースの相違
6.なぜ,被検者からシグナルアースをとる必要があるのか

補遺 活動電位発生機序の静電気学的解説
索引
著者紹介

商品詳細

著者 橋本 修治
出版社 診断と治療社
発刊年 2013年11月
ISBN 978-4-7878-2058-7
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