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改訂版 もっとよくわかる!脳神経科学

改訂版 もっとよくわかる!脳神経科学

販売価格: 4,620(税込)

商品詳細

目次

改訂版執筆にあたって

初版はじめに

第1部 基礎編 ――システムとしての脳の理解

第1章 脳はどのように理解されてきたか

1 形から類推できない脳の働き ――脳は不可思議な臓器
2 エジプト時代,そしてギリシャ・ローマ時代の脳
3 脳研究の闇の時代 ――心臓に奪われた心の座
4 18世紀後半〜19世紀にかけて得られた脳研究への手がかり ――生物電気の発見から機能局在の発見へ
5 19〜20世紀にかけて発見されたニューロンの本質 ――ゴルジとカハールの論争からシナプスと化学伝達物質の発見まで
6 20世紀半ばからの脳研究:ついに難攻不落の砦への攻略が始まった ――電気生理学的解析と学際的研究
7 20世紀後半〜21世紀の脳研究 ――脳機能の可視化が脳の牙城に大きな風穴を空けた
8 21世紀の研究に残されている難問 ――まだまだ不明な部分が多く残されている

第2章 脳はさまざまな部品で構成される複雑な組織

1 やっぱり形と機能には相関性がある
2 脳の形を見てみよう
3 脳の発生 ――脳組織ができあがるまで
4 ニューロン ――脳機能の主役
5 グリア細胞 ――脳機能の第2の主役
6 脳血管 ――脳内に張り巡らされるライフライン
7 神経回路網とその可塑性 ――ニューロンの数だけでは測れない能力

第3章 脳の働きを生み出すしくみ

1 小さな細胞に組み込まれたさまざまな驚くべきしかけ
2 静止膜電位とイオンチャネル ――生きている細胞の証し
3 活動電位とイオンチャネル ――活動する細胞の証し
4 生体における情報の形 ――インパルスとよばれる信号
5 活動電位の伝導 ――神経線維を減衰することなく伝わる情報
6 シナプスにおける情報の伝達 ――脳機能発現の最重要システム
7 シナプスにおける情報の統合 ――何千何万のニューロンからの情報を活動電位の発現頻度で表現する
8 インパルスの粗密がつくる,脳内で使われる言葉 ――無限バーコード
9 自己組織化する脳 ――ソフトウェアは遺伝子と自らの意思

第2部 機能編(感覚)――外界を認識するしくみ

第1章 さまざまな感覚刺激の情報化

1 感覚の種類と感覚細胞 ――さまざまな刺激を感じるしくみ
2 感覚の周波数符号化と投射 ――感じているのは脳か? 体か?
3 感覚と情動および記憶 ――おいしさは味だけじゃない

第2章 体性感覚 ――体内に張り巡らされたセンサー

1 体性感覚とは? ――意識しなくてもいつもある
2 皮膚に分布する多様な感覚器 ――体を守るセンサー
3 筋肉や腱にある状態を感知するしくみ ――固有感覚
4 感覚器への刺激がニューロンの信号に変換されるしくみ
5 感覚を脳に伝える求心性神経伝導路 ――感覚信号の通り道
6 感覚信号の終着点 ――感覚のホムンクルス

第3章 視覚のしくみ

1 眼球は自動焦点・自動絞り・手ぶれ防止つき立体高感度カメラ
2 光エネルギーを神経信号に変換するしくみ ――視細胞は光電素子
3 網膜内での視覚情報処理 ――光や色を神経信号に変えるしくみ
4 網膜から脳への信号の通り道 ――位置情報を保ったまま送る
5 一次視覚野での情報処理 ――円柱状に受容する
6 脳が対象物を認識するまで

第4章 聴覚のしくみ

1 空気の振動を音センサーに取り込むまで
2 蝸牛で音を識別する ――コンパクトに収納された広領域音センサー
3 有毛細胞で音を神経信号に変換する
4 内外の有毛細胞が音を“正しく”“聞き分ける”
5 音情報の脳への通り道 ――音源の位置も感知できる

第5章 嗅覚のしくみ

1 嗅上皮と嗅覚受容細胞 ――匂い物質はまず粘液に溶け込む
2 嗅覚受容細胞での情報変換 ――どんな匂いでも1パターン
3 嗅覚受容細胞に多様性をもたらす遺伝子
4 多様な匂いを嗅ぎ分けるしくみ ――意外に曖昧?
5 嗅覚受容細胞から脳へ ――整理,修飾が必要
6 嗅覚情報が脳で識別されるしくみ

第6章 味覚のしくみ

1 味はいくつに分けられる?
2 基本味は5種認識されている
3 味覚器とその分布 ――コンパクトに収納された味細胞
4 味はどのように情報に変換されるのか?
5 味覚の中枢経路 ――味は脳でどのように感じられているのか

第3部 機能編(運動)――脳からの運動命令の発信とその制御

第1章 神経信号が運動を生じるしくみ

1 随意運動の実行ステップ ――単純? いやいや複雑巧妙!
2 骨格筋とその運動ニューロン支配 ――やわらかに体を動かすしくみ
3 2種の下位運動ニューロン ――大胆さと繊細さ
4 脊髄分節と神経の入出様式 ――脊髄の保護と入出力の両立
5 運動単位と運動ニューロンプール ――1個で多数を支配
6 運動ニューロンから骨格筋への伝達 ――神経筋接合部
7 骨格筋の構造とその興奮 ――ここにも活動電位が生じる
8 興奮収縮連関 ――Ca2+を引き金としたダイナミックな反応
9 脊髄における運動制御 ――脊髄レベルでかなりの制御ができる

第2章 運動の企画と円滑な運動を司るしくみ

1 運動命令の発信拠点 ――運動のホムンクルス
2 皮質脊髄路 ――正確な随意運動にかかわる情報ハイウェー
3 腹内側経路 ――平衡,眼球運動,歩行,姿勢維持にかかわる
4 大脳皮質による運動の企画 ――視覚や記憶も総動員
5 運動野における運動の符号化 ――ニューロン群が描く模様
6 大脳基底核 ――デリケートな運動をつくり出す複雑なループ機構

第3章 小脳による運動調節

1 小脳は筋群をよりよく協調させる
2 小脳の構造 ――大脳より細かいひだをもつ
3 小脳の神経回路 ――整然と並んだ回路素子
4 小脳における機能局在 ――ここにもホムンクルスが

第4部 脳と行動編 ――しくまれた自動調節装置

第1章 視床下部 ――ホメオスタシスのコンダクター

1 視床下部の形と機能 ――小さな体で大きな仕事
2 視床下部の驚くべき機能 ――下垂体からのホルモン分泌

第2章 自律神経系のコントロール ――視床下部のもう1つの大仕事

1 交感神経と副交感神経による調節 ――活動か? 休息か?
2 自律神経系の神経回路 ――1つの臓器に2つの指令
3 自律神経系から支配臓器への神経信号
4 支配臓器を多様に制御 ――カギは神経伝達物質受容体
5 内臓感覚神経とその役割 ――おもらしをしない理由

第3章 脳の広範囲調節のしくみ

1 神経伝達物質を使った広範囲調節系 ――実は大雑把でアナログ
2 脳が刻むリズム
3 アストログリアによる広範囲調節系 ――まさかグリアが!

第5部 高次脳機能編 ――うまく生きていくための能力

第1章 情動

1 情動発現メカニズムの論争 ――脳が先? 身体が先?
2 情動発現と大脳辺縁系 ――情動は脳のどこで起こる?
3 ぺーペズの回路 ――大脳皮質と視床下部の橋渡し
4 情動発現と扁桃体 ――恐怖を記憶する場
5 快情動の中枢 ――幸せはどこから生まれる?

第2章 言語能力

1 ヒトと言語 ――言葉を操れるのは人間だけ
2 言語能力の発達 ――カギは咽頭室の位置
3 失語症から学んだ言語野の存在
4 脳画像による言語能力の解析 ――脳のどこが活動している?
5 言語の獲得 ――子どもは言葉をどう覚えるか

第3章 記憶能力

1 記憶は脳機能の基礎である
2 記憶の側面 ――昔を思い出したり自転車に乗ったり
3 記憶物質説の盛衰 ――記憶は食べられる?
4 記憶のシナプス仮説 ――伝達効率が変化していた!
5 シナプスの可塑性 ――解かれてゆく記憶のしくみ
6 記憶の痕跡,想起,そして再固定化
7 記憶における海馬の重要性 ――高等動物の場合
8 海馬で何が起こっている? ――グルタミン酸受容体と可塑性
9 記憶の分子メカニズム ――ここまでわかった記憶の謎

第6部 脳の疾患編 ――脳の故障がもたらす多様な障害

第1章 神経疾患

1 筋力の低下が起こる疾患 ――筋への情報が遮断される
2 運動協調性の失調を主な症状とする神経疾患
3 記憶障害を生ずる疾患 ――ニューロンの大量脱落
4 てんかん ――脳が暴走する神経疾患

第2章 精神疾患 ――脳機能の発現メカニズムに変調をきたす

1 過度なストレスが引き起こす心の病
2 統合失調症 ――脳科学者の大きな課題

第7部 「こころ」編 ――脳から心を考える

第1章 脳の発達と心の発達

1 「こころ」とは何か
2 動物に心はあるか
3 心の成長

第2章 心をつくり出す脳機能

1 心の発現にかかわる脳のしくみ
2 ミラーニューロンと心の成長

第3章 危うい心

1 心の病 ――心の病からみえる心の実体
2 洗脳の恐怖

第4章 心=脳の考察

1 臨死体験 ――魂のせいか? 脳機能か?
2 脳と心は別次元? ――晩年のペンフィールドとエクルズの結論

参考図書・文献

あとがき

索引

商品詳細

著者 工藤佳久
出版社 羊土社
発刊年 2021年08月
ISBN 978-4-7581-2210-8
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