【Clinical Neuroscience 2023年12月号】脳の進化―多様性と可能性
販売価格: 2,970円(税込)
商品詳細
ヒトの脳は極めてよく発達して高次の精神機能を実現しています.一方で動物界の脳の多様性を視野に入れると,進化がヒトの脳という頂点を目指して進んできたかのような単純化した見方がそぐわないことは明らかです.我々の脳が進化の過程でどのように形成されてきたか,遺伝子研究から化石研究まで幅広い基盤に立って脳を多様性の観点から捉え直し,異なるタイプの脳が生む機能の可能性やヒトの特殊性について探求する特集です.
Main Theme
脳の進化
―多様性と可能性
A.総論
脊椎動物の進化史 ● 村上安則
脳のサイズと細胞数の比較 ● 小林 靖
B.遺伝子発現と発生に見る進化のメカニズム
「ヒトらしさ」をつかさどる遺伝子・細胞・脳 ● 郷 康広
ハエからヒトまで共通する神経回路形成機構 ● 佐藤 純
アセチルコリン受容体サブユニットにみる進化 ● 小野富三人
大脳皮質発生の分子機構―サブプレートニューロンと大脳新皮質進化 ● 丸山千秋
フェレットを用いた大脳の形成と進化のメカニズム解析 ● 河崎洋志
C.動物に見る脳の多様性
無顎類の神経系―ヌタウナギ,ヤツメウナギの神経系の特徴と進化の過程 ● 菅原文昭
魚とヒトの脳は何が同じで何が違うか―魚を使った予測符号化と能動的推論による
認知と意思決定の研究 ● 岡本 仁
嗅覚系の進化―嗅覚器と嗅神経路の比較解剖学 ● 船越健悟
音声コミュニケーションと脳の進化 ● 岡ノ谷一夫
睡眠の進化―脊椎動物の多様な睡眠のあり方とそれを支える
神経機構の進化について ● 田中拳斗 他
空間認知の進化 ● 佐藤暢哉
動物の多様な脳をモデルとした疾患研究 ● 松井秀彰
D.霊長類に見るヒトの特殊性
化石人類の脳 ● 中務真人
チンパンジーとヒトの脳の比較神経解剖学 ● 荻原直道 他
直立二足歩行を支える神経機構 ● 高草木薫 他
記憶の神経回路の共通性と多様性 ● 本多祥子
サルの進化における防御反応の神経基盤 ● 西丸広史 他
メタ認知機能と進化 ● 宮本健太郎
行動依存症の神経基盤と進化―行動依存症に関わるネットワークの異常と
その進化における意義について ● 浅岡由衣 他
連載
臨床医のための神経病理 再入門(編集協力:亀井 聡)
インフルエンザ関連脳症 ● 長谷川秀樹
細胞のメカニズムと神経疾患
[生殖に関連する新しい神経内分泌機構 9]
生殖制御機構と心の科学 ● 小澤一史
脳と神経の医学の歴史
ガルヴァーニから始まる電気生理学 ● 坂井建雄
検査からみる神経疾患
アルツハイマー病の診断マーカーとしての
脳脊髄液中トランスフェリン糖鎖異性体の測定 ● 橋本康弘 他
ニューロサイエンスの最新情報
血中alpha–synucleinによるパーキンソン病の診断 ● 斉木臣二
素顔のニューロサイエンティスト
Michel Kalamarides ● 寺西 裕
Q&A―神経科学の素朴な疑問
緊張すると咳が出るのはなぜですか? ● 吉原一文 他
商品詳細
出版社 | 中外医学社 |
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発刊年 | 2023年12月 |
ISBN | 0289-0585 |
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